森暮ら商店

2022/11/06 21:46

   

店主の羅久井です。
東京の木に特別な想いはありますが
他と比べて特別だとは思っていません。
何せ近所や毎日の視界に森や製材所、材木店があるので
この環境を、顔馴染みの社長さんや社員さんを応援したい気持ちでやっているのが
シンプルな理由です。暮らしてると香りも本当にいいんです。
昨年まで工務店で働いていたので「端材」に敏感になっていました。
実際、建築現場では端材はお金をかけて捨ててしまっているのが現状です。

そんなことを知ってしまったので
こども食堂さんやイベントのワークショップで
端材を磨いて宝物にしようということを何度かやってきました。
子供たちが対象なので、小難しい説明は一切不要です。
いろんな形をした端材を嬉しそうに真剣に磨き
ミツロウワックスでピカピカにしたり
木に絵を書いたりしてそれぞれの宝物になって行ったんです。

そんなことをやってきたものですから
製材所で毎回出てしまう【丸太の端材】も宝物にしたいな〜と
考えて今年の2月にいくつか購入させていただき、乾燥を開始しました。
自宅にきた丸太たちはずっしり重くて香りもぷんぷん。
厚い皮は剥いとかないと、梅雨時期に虫にやられてしまう原因になるので
一生懸命手作業で剥きました。近所の方が見兼ねて道具を貸してくれたのも嬉しかったです。
雨が降って、少し乾いた頃、裏返したり場所を移動して腐り対策してきました。
春、夏を越えて秋になりました。愛着が一個一個に湧きました。
すごい個性を発揮している丸太だなと思いました。
これを、誰もが使いやすいように上下をまっすぐカットして
側面をカンナやヤスリかけてストンとして販売なんて
自分がやることではないと感じました。

自分自身とこの9ヶ月を一緒に過ごしてきた丸太であって
自分自身の作品として世に出したいなと考えました。
結果それが木と暮らすきっかけになることを願っています。

大きいものは年明けまではしっかり乾燥させて
小さいものはヤスリをかけたり、ノミや彫刻刀で作業していきます。
出来上がりによって
椅子にしたり、調理台にしたり、物置にしたり
体や手を支えたりするものにしたり薪割り代にしたり
自由でいいなと思っています。
一つ一つ作品として納得できたら商品棚にて紹介させていただきます。
よろしくお願いします。